木をつかうこと【木のちから】③
山形の木の家専門家、美・中川工務店です。
一回、二回と続いてきました【木のちから】の最終回です。
5⃣衝撃吸収効果
木材は、パイプ状の細胞が柔軟に変形してクッションのような役目をするので、
例えば、大理石に比べて2~3倍の衝撃吸収能力があります。
床や壁に木材を上手に使用することは、転倒などによるけがの防止につながります。
メジャーリーグで大活躍中の大谷選手。
大谷選手が投げるおよそ時速160キロのボールを打つためのバットの材料が木材なのも納得ですね。
6⃣音環境効果
木材の音響的性質について、金属と比較してみると、 材料の中を伝わる音の速さや振動応答の速さは変わらないのに
木材は金属の何倍も振動を吸収することがわかります。
適当な振動吸収が、音が美しく響くなどの効果があり、人間の耳にとって優しい音を作るようです。
そのことから、木材は楽器の材料として使われていることも多く、
バイオリンやギター、ピアノ、日本の楽器では、琴、三味線や太鼓も胴は木材ですね。
芸術劇場やコンサートホールに木の内装材が用いられるのも、振動を吸収する木材は残響時間が短く、
心地良い音に感じ、低音が豊かで、柔らかな音になると言われているためです。